南山剳記

読書記録です。原文の抜き書き、まとめ、書評など、参考にしてください。

仏教史

まゐ子奇譚

前頭側頭自閉軒全集抄⑨まゐこ奇譚 まゐ子(『旭山玉繭洞妖怪図彙』より) 昔、武蔵国は戸田てふ所にマヰ子てふ者ありけり。日頃、木の下にて遊びけるに、さみしき余りに人にチョッカイして咳をさすとか云々。人が構はず横臥せば、益々構って咳させ候。村人困り…

この世とあの世をつなぐ橋

前頭側頭自閉軒全集抄⑧この世とあの世をつなぐ橋[1]「この世とあの世をつなぐ橋」ッてのがある。何処かは言えない。阿呆が押し寄せて、大挙してあの世に行かれても、あの世の人が迷惑するだけだ。だが、うまくしたもので、俺なンかは何度通っても不思議と異…

ズルビン奇談

前頭側頭自閉軒全集抄⑦ズルビン奇談 最近、世にも奇妙な事件が出来した信濃国 山深い信州のどん詰まりに、かつて芋井草堂と呼ばれた一宇の寺がある。百済から来た仏を祀ったことから、「百済寺」ともいった。今の善光寺である。その西之門といわれるあたりに…

蘭渓道隆の渡日をめぐる人脈――「東アジアのなかの建長寺」序説(村井 章介)

蘭渓道隆の渡日をめぐる人脈――「東アジアのなかの建長寺」序説 村井章介「蘭渓道隆の渡日をめぐる人脈――「東アジアのなかの建長寺」序説」(村井章介編『東アジアのなかの建長寺――宗教・政治・文化が交叉する禅の聖地』所収)、勉誠出版、2014年 剳記一覧 ::…

法然上人当時の宗教的心性について ―鴨長明『発心集』を中心に―(吉田 淳雄)

法然上人当時の宗教的心性について―鴨長明『発心集』を中心に― 吉田淳雄「法然上人当時の宗教的心性について―鴨長明『発心集』を中心に―」(大正大学浄土学研究会編『丸山博正教授古稀記念論集 浄土教の思想と歴史』所収)、山喜房佛書林、2005年 剳記一覧 :…