マインドアサシンかほる　説法その１①（服部洋介）

マインドアサシンかほる 説法その１（①）

服部洋介『マインドアサシンかほる』説法その１（気がふれ茶った会編『気がふれ茶った会』第１号）、気がふれ茶った会、1995年

【服部洋介・撰】

解説

かれこれ25年前、18歳の頃に描いたトンデモない漫画。いや、もっとチャンとしたものは描けるけれど、いま読んでもコリャナンだというような、ヘンに深い漫画であるから、現実逃避したい人のために、チョット紹介しておくこととする。

ところで、この漫画、のっけからパクリのオンパレード、編集部としては、当時は当時なりにアカンところは差し替えたりと苦労もしたのだけれど、たまにコンプライアンス違反な発言が臆面もなく飛び出すから、そういうところは闇に葬って、かいつまんで内容を紹介したいと思う。

f:id:Nanzan-Bunko:20200225235704j:plain — この漫画の主人公・村川かほる

さて、この漫画、『剳記と私』でも書いたマルサンという同級生が、直筆で煽り文句を書いてくれた。曰く「釈尊の生涯をつづった壮大なシリアス歴史巨編！！！」だそうだ。ウム、まあ、間違ってはいない。しかし、村川がブッダになるまでには、それなりの紆余曲折というものがあって、一筋縄の道のりではなかった。まあ、そのへんのことを順を追って見ていこう。

f:id:Nanzan-Bunko:20200226000516j:plain — 当時、暗黒連歌が隆盛を極めていたといふ京都

当時、世間では暗黒連歌なるものが大流行していて、三人一組で行う「３ on ３」形式で対戦し、敗者は殺されるという、ナンか『麻雀白虎隊東』みたいなことになっていた。なお、「京都はおそろしい街ですだすどす」ってな文句は、それ自体、ナンかのパクリである。たしか、高校の図書委員会室に転がってた漫画が出典のはずである。アレだ、京都で「ぶぶ漬けでも食べていきなはれ」と言われたら「飯の時間だから帰れ」という意味どす、って漫画だ。ご存じの方はご教示願いたい。

f:id:Nanzan-Bunko:20200226001219j:plain — 暗黒連歌で一儲けをたくらむ村川

暗黒連歌で一儲けしようとたくらむ村川氏、京都で歌道の達人を募って暗黒連歌に出場しようとするのですが……。

f:id:Nanzan-Bunko:20200226001448j:plain — のっけから本音を言いだす村川

賭け連歌とはまったく不埒な所業であるが、歴史上実在のもので、前の句に付合をして、その良否を判じた点者(テンジャ)なんどというのは、ボロい商売であったらしい。てなわけで、ときに賭連歌の胴元を点者といった。ところで、村川、実力のありそうな連歌師に仕事を依頼しようとするのだが、依頼料をケチったのがあだとなり、みんな帰ってしまい、残ったのが、このおばＱみたいな奴だったとゆー。